ここ十数年来、森林伐採による木材資源の枯渇が心配されております、
インドネシア等の国々でも日本の企業の手で植樹が行われていますが
製品を造り出す迄の資源となるには四十年以上の月日が必要とされます。
それだけではなく、木材を資源として造り出す合板や無垢材は
最近品質の低下が著しく加工精度も悪化し、
逆に価格は高騰して我々木工加工業者はコストアップにも繋がりかねない状況に悩まされ続けられています。
その反面、5年程度で成長期を迎える「竹」は資源としては枯渇の心配や植樹する手間もいらず
強靭な繊維質を持ち、自由に曲げたり捻じったりすることが出来、
工業製品としてもとてもふさわしい資源です。
「抗菌作用」「殺菌作用」「脱臭効果」等にも優れ
ある資料では「アトピー」にも効果があると謳われております、
地球にも人にも優しい資源として「竹」はこれからの私たちの生活には無くてはならない存在となることでしょう。
しかし、最近は放置竹林がもとで目に余る惨劇(土砂崩れ等)を生み出す原因の一つとなり、
大きな社会問題となっています。
それを無くす為にも、放置竹林の竹を畜産業では針状繊維がない500ミクロンの竹微粉末として
牛や豚・鳥等の飼料として与え、他とは一味違う肉質にし、
農業としては畑の土壌改良剤として竹粉を利用、
竹チップは牛糞等に混ぜて肥料に活用し育ちの早い美味しい野菜を生産。
竹林の整備を推進し工業製品として使用出来る品質の良い商いの出来る「竹」を育て、
それを資源として竹集成材・竹突板・竹製薄板合板等を素材として造り出し、
その素材を使った2次製品を製造販売することにより、
それが雇用へと繋り、健康な「竹」を育てることも利益に繋がるという流れを
現在、地元の浜松地域イノベーション推進機構が中心となって産学官の協力の下、
「静岡県西部地域づくり活動支援協議会」を2013年組織化し、放置竹林の問題解決に向けて
私共も微力ながら竹工業化部会の一員としてお手伝いをさせて頂いております。